NILS

NILSはセブシティにある日本人経営の中規模校である。2011年にできた若い学校であるが、急速に学生数を増やしている。

授業はすべてマンツーマンレッスンで、1日4コマから10コマまでの4つのコースがある。コースの違いはコマ数の違いだけで、スピーキングやリスニング、発音、フリートーキング、TOEIC対策など14科目から選択する。

1日中ずっとマンツーマンレッスンだけだと単調で飽きてくる、マンネリ化する、他の人を見て刺激を受けたいといった人のために、マンツーマンレッスンの代わりにグループレッスンを選択することもできる。

また、最初の2週間は文法とリスニングで、次の2週間はリスニングの代わりにスピーキングといったように、科目の選択や変更も自由に行うことができる。

マンツーマン教室はオープンタイプである。小さな個室として完全に隔離されていないため開放感がある一方で、他の学生や教師の声が聞こえてくるので騒々しい。このあたりは好みが分かれるだろう。

ピークシーズン以外は平日の入学も可能である上、1週間単位でなく1日単位での受講にも対応するなど柔軟性が高い。さらに、土日も1コマ1,200円の別料金で授業が受けられる。1週間しか休みが取れない社会人にはありがたい制度である。

この学校の目玉のコースはインターンシップができるOJTコースである。1日に4コマのマンツーマンレッスンと、6時間のインターンシップの組合せで、例えば午前中に4コマの授業を受け、午後に6時間インターンシップをするといった感じである。

このコースの良い点の1つ目は、インターンシップ先がホテルや旅行会社、航空会社など観光系だけにとどまらず、広告代理店、不動産会社など多岐に渡り、しかもそのほとんどが地元のフィリピン企業である点だ。

フィリピンの学校の中にはインターンシップができると言いながら、実際にはその学校で学生スタッフとして働くというケースが多い。NILSで行うことができるのは、そういったまがい物のインターンシップではなく、フィリピン企業でのインターンシップである。

2つ目は英語を使ったインターンシップができる点である。NILSではOJTコースと同じように1日4コマのマンツーマンレッスン＋6時間のインターンシップで6ヶ月の授業料が無料の「インターンシップ0円留学」というコースがある。しかしこのコースでの6時間の業務内容は学校事務の手伝いや日本人相手のコールセンター業務など、基本的に日本語を使っての業務となる。英語を使うインターンシップではない。

これに対してOJTコースで行うのは基本的に英語を使った業務である。もちろん、行える業務は本人の英語力による。片言レベルであれば英語をあまり使わなくて済む日系企業でのインターンシップになる。だがそれなりのレベルであれば、店頭やフロントでの接客業務や、事務所でのアシスタント業務など、英語をフルに使ってのインターンシップを経験できる。こういったコースはフィリピンでも非常に少ない。

フィリピンで留学生としてインターンシップを行う場合、勉強時間とインターンシップの時間が最低でも同じでないと不当労働行為と見なされる。OJTコースは勉強4時間＋インターンシップ6時間なので、このままでは違法な労働状態となってしまう。

そこでNILSでは例えば4週間のコースでは最初の1週間はマンツーマンレッスンだけにして勉強時間を増やすことで、留学期間トータルでは勉強時間とインターンシップ時間がイコールになるように調整している。グレーゾーンではない合法的なインターンシップ留学なので安心して参加できる。

ITパークというビジネスセンター内にあり、そこで働く人たちを見込んだ飲食店が多数ある。例えばハンバーガー店ではジョリビー、マクドナルド、KFCのフィリピン大手3社がすべて揃っている。利便性は非常に高い。

日本人スタッフだけで10人以上いる他、日本語を話せるフィリピン人スタッフも多数いる。この点が安心につながるのか初級者が比較的多い。寮の規則は大人対応でほとんどなく、寮の部屋の中でお酒も飲める。自己管理はできるので細かい規則はいらないという社会人にもオススメできる。